「気持ち、わかるよ」
10月、リーダーシップについてのゲストレクチャーがあった。IKEAの初期を支えた人。
この時期、別のコースで地球の諸問題を科学的な見地から学ぶ授業が続いていた。地球で生きるなら全員知っていたらいいのにと思える、命の根幹を揺るがすような知識に触れて、私はずっと教育に携わっていながら、こんな大事なことを知らなかったの?まして全然別のことを教えていたの?と、やりきれない気持ちに何度もなっていた。
そのタイミングで講義に出てきた「よくある間違い」というフレーズが、また引き金になった。
・すべきでないことをしてしまう
・すべきなのにやらない
どっちも自分がしていたことのような気がして落ち込んでいたところで「ここまでの感想をシェアしてみよう」の時間になった。泣いてしまっていたのでどうしたものかと思っていたら、ペアの相手に「ぼくたちあんまり遊んだりしないけど、話してくれて大丈夫だよ」と言われた。確かにそんなにhang outしてないけどだから躊躇してるわけじゃないんだよ、と返しつつ、そのときの気持ちをありのまま話してみようと思えた。じっと聞いてくれた。そして、ここに来る前の自分の話をしてくれた。
その人は映像制作に携わっていて、地球を壊している企業のCMを作っていたし、人を操作することばかり考えていたと今わかって、痛みを感じることがある。だから
「気持ち、わかるよ」
全然違う職業や文脈にあっても、大きな有害なシステムに加担してしまうという共通の痛みを感じている人がいて、それについて話し合えるとわかったことが、本当にありがたかった。私たちがいるのは今ここだし、ひとりじゃない。
ちなみに結局その人とは、つるんだりしないままだったけれど、やりとりはいつも、なにか深いやさしさに満ちていたような気がする。