生イーストでパンを焼く
初めて生イースト(fresh yeast)を使ってみた。甘くないパンには青。お菓子には赤。
味噌みたいな香りがして、もろもろ崩れる。ぬるま湯で溶かしたら、どんどん材料をいれてこねる。ちょっとこねたらもう、ふかふかすべすべの生地になる。5分おいて、10分焼いたらもう出来上がり。焼いている間にも膨らんでくる。
パンって一日がかりだと思っていた。時短レシピでも15分こねるとか2時間待つとか、なんだったんだろう。イーストが違うだけで、そんなことってあるんだろうか。アホみたいに簡単で美味しくて、しばらく茫然とした。好きな食感だけど、消化にはちょっと重たいかもしれない。ライ麦粉で作ったらどうなるか、今度やってみよう。
Submit! Submit!
今週はLearning Periodという学期みたいなものの境目で、Take home essayとPortfolioの提出が相次いだ。エッセイはインターネットにつながっていればどこでやってもいいオープンブックの試験で、国に帰ったり出かけた先で受けることを選択する人もいた。私は、家で。前日に思いきり風邪をひいて寝込んだので、途中で横になったりできる環境はありがたかった。締め切り10分前までかかってようやくオンライン提出したら、話した人たちみんな似たような状況だった。大変だった。自分をハッピーにしたくて、ハロウィンスィーツを作った。
風邪を引いた日にやろうと思っていたことが今日になったので、午前中に「もう英文は書けない!」と思うところまできた。図書館で手書きのサマリーをスキャンして、クラスメイトと会って話して、ウォーターフロント席に座ったらちょっと進んだ。今日は霧から晴れに向かっていく天気。風の強い日は、もうドイツ製ウールの帽子がちょうどいい。
なんとか提出できた。そのあと生イーストを使ったふかふかのパンにチャレンジしたら、驚きの結果だったのであとで書く。
3Dプリンター入門講座
ブレーキンゲ工科大学にはいくつかラボがあり、学生なら講座を受ければ使うことができる。というわけで3Dプリンター講座に参加した。図書館の隣なので、いつも道すがら気になっていた。窓から海が見えた。
3Dプリンターの利点は、なんといってもプロトタイプが低コストで簡単にできること。大きなものや精巧なものは24時間くらいかかるけれど、下の青い部品なら25分くらい。ちなみにこれは携帯スタンドの一部で、コードが通るところ。
必要な分しかプリントしないから、無駄を減らせる。将来的には図面を送ってもらって部品をプリントできるようになるかも、という話を聞いた。下のオレンジの物体は、プリントされた時点でこの状態。組み立て済み!
一番ワクワクするのは、プレシャスプラスチックプロジェクトと3Dプリンターラボとのコラボ話が出たこと。サステナビリティの修士をオファーしている工科大学で、リサイクルプラスチックを使ったプロトタイプ作成ができたらすごくいい。
突然の秋
ふと気がついたら森の色が変わっていて、落ち葉が舞う中を歩く日々が続いている。特別な季節だなあとしみじみ思う。週末は再びオーガニックファームに行った。
オーガニックショップで、ドイツ出身のクラスメイト一押しの洗剤と、ギーを買えた。
2か月目の火曜日
こちらに来て2か月になる。課題のコツを見極めたり、手放し方を工夫したり、体調を最優先したりできるようになって、大変だと思っていたことがそんなに大変じゃなくなってきた。食生活はどんどん日本食に傾き、パラパラのジャスミンライスをふっくら炊くことに力を注ぎ、醤油とゴマ油を常備するようになった。酵母パンを毎週焼くことがすっかり定着した。ニュアンスも含めて伝えたい場面が増えてきて、英語が出てこなかったらとりあえず日本語で言ってみるというワザを覚えた。相手が「はあ?」ってなっている間に考えるスペースを作れるので、気に入っている。
Economics Weekの二日目は、価値について話した。価値があるものとは。私の価値観は。意思決定の際に大切にしている価値観は。こうやって訳してみるとまた違う答えが出てきそうな気がする、心揺さぶられる問いだった。
「GDPにおいて成長するためには、新しいお金のやりとりを生み出す必要がある。働いて賃金を得る。そしてその間どこかに子どもを預ける。そうすることで新しいやりとりが生まれる」という話が出たとき、しばらく考え込まずにいられなかった。働きながらヨガに行くことやマッサージを受けることや癒しグッズを買うことも、このパターンだったんだろうか。
「お散歩に行くけど一緒に行かない?」というハウスメイトの誘いにホイホイついていってしまうくらい今日はいい天気で、土曜日と同じくらい穏やかな海とポカポカ陽気に幸せを感じた。4人くらいのクラスメイトに途中で会った。
夜はCheese house(我が家)がGreen house(クラスメイト2人のシェアハウス)に招かれるという企画があり、餃子の残りの白菜で中華風サラダを作った。美味しいごはんと和やかな会話を楽しんだ。
どうしてこんなことが可能なんだろうと思うくらい美しい。
Economics week
経済学を新しい視点から学んでいる。「経済」というワードに対する抵抗感は昔から変わらない。経済と法律と政治にはどうしても興味が持てない。でも今日のゲストレクチャーは楽しめた。Ecoという言葉の語源はギリシャ語の「オイコス」で、おうちという意味。Economyの真実は、おうちでどのようにふるまうかということ。集団行動のパターンであり、世界を見るレンズであり、自分にとって価値のあるものは一体何かという話。ちょっと興味を持てる気がしてきた。
と言いつつ図書館で課題の読み物を読んでいたら、進まなすぎてあきらめて帰ってお昼寝した。
読み物がちっとも頭に入ってこないのでどうしようと思っていたら、シューマッハカレッジにいたクラスメイトが、シューマッハさんの読み物を解説してくれた。自分ではこんなに読み取れなかったと思う。ありがたや。
解説を聞いて、昨日のcooking challengeのことを連想した。みんなでお料理しながらとんでもない楽しさを感じたとき、たぶん生きていくのに必要なすべてがあった。自然が作った美味しいものと、仲間と、笑いと、学びと、一緒に過ごす時間と。Economics weekは、そういうことを考えるひとときになるのかもしれない。