ありがとうって思うことを一日3つ言ってみて

スウェーデン留学記 https://www.bth.se/eng/msls/

ゲストレクチャー最終日

物理と化学を生物学に結び付けることで、説得力のある数字を提示しながら組織に変革を呼びかけることができる。というようなお話が、文系全開120%の私でもギリギリついていける絶妙な匙加減で続いた。

 

・「視界5mの霧の中、100キロで運転しているとする。この先で橋が壊れていると知っている。どこなのか、いつ着くのかはわからない。それでも100キロで飛ばし続けるの?」

 

・一連のプロセスは、鳥の目で見たときにうまくいく。人々が理解したときにうまくいく。どうやって人々に届けられるか。地球上の全員に届けないといけないなら、とても無理だから孫と遊んでいるほうを選ぶけれど、全体が変わり始めるには15%に届けばいい。そう思ったら、眠っている場合じゃない。”I’m in for that.”

 

講義はもちろん、あり方や話し方もとても素敵で、お会いできて本当に光栄だった。

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午後は架空の組織についてABCDプロセスを使うグループワークだった。頭フル回転。最初ビジョンがまとまらなくてどうなるのかと思ったら、先へ進みつつ戻ってくるうちに、最後は時間の余裕を残してアクションプランがまとまった。全然違う人たちが集まって協力することは、必要で、楽しくて、いっぱいモヤモヤして、疲れたりもする。それをこうして体験しながらだんだん「プロセス自体を信頼してそこに居続ける」ことができるようになったらいい。

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ランチタイムに泳ぐひとたち。

 

今日のハイライト

・「環境問題に対処が必要であることは、私の信念ではなく、科学的事実です」と昨日もハッキリ言われ、今日は今日で「サステナビリティにはecological, social, economicalの3つの側面があると言う人がいますが、間違いです」とバッサリだったこと。経済は目的ではなく、目的をサポートする手段。混同しないこと。

 

・「お金がかからないならやります」も間違い。利益があがるようにやれる方法がある。

 

・もし火星人を車工場で雇うことになったとしたら、まず見せるのはモーターとかでなく、車全体の機能。部分を見せてもわからない。

 

・「必要十分なだけ」という条件があるのは、それを超えると価値観が入ってきて、議論の元になるから。

 

SDGs17個のストーリーであってガイドラインではない。それぞれがオーバーラップしているうえに、すべてをカバーできていないので、使えない。今どうやって使われているかというと、ひとつをピックアップしている。いっぺんにやらないと意味がないのに。サステナビリティのための戦略的プロセスを一緒に使う必要がある。

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カール・ヘンリク・ロベールの講義は、科学のバックグラウンドと豊富な経験に裏打ちされたストーリーで彩られている。直接受けることができて本当に恵まれていると思う。一方で、どうしてこんな大事なことを知らなかったの、という気持ちでいっぱいになったりもする。

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講義のあとはグループプレゼンのためのチームミーティング。アイディアがどんどん出て、すごく進んだ感があった。

 

夜のスウェーデン語のクラスで日本から来た人に会って、日本語でお話ができた!もう一人クラスメイトがいるそうなので、日本語ランチがいつかできたら楽しい。

パンその4

クラスメイトが、お友達のパンやさんにつないでくれた。イギリスで酵母パンを焼いているそうだ。質問したら、早速お返事をもらえた。酵母を冷蔵庫に入れれば、今している作業は週一回でいいとこのこと。これなら続けられそうで、みんなとても喜んでいる。

 

そんな中、酸っぱい味が好みでないハウスメイトのために、ドライイーストを使ったレシピも試してみた。15分こねるのを交代でできたのは楽しかった。15分もこねるのに食べるのはアッという間なのがちょっと悲しい。とてもかわいく、美味しくできた。

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カール・ヘンリク・ロベールの講義

 今日から3日間、「ナチュラル・ステップ」の著者の講義が聞ける。カールヘンリクだから、通称は「カレ」。すべての始まりにいた人だから、とても楽しみにしていた。“You are respected as colleagues already.”という話から始まって、どきどきした。心に残ったことは、教科書やスライドにない話ばかりだった。

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・「ノートはあなたたちのためにもう取っておいたから、スライドを見ながら聞いてほしい」

 

・「大きなグループだと、用語の混乱が生じやすい。でも集団としての知識はずっと大きいはず。利用できないのは残念なことだ。どうしたら活用できるのだろう」

 

・「がん治療で高い効果を上げたプロジェクトでは、全力で人を救おうとしていた。一方で全力で地球を壊している人たちがいる。同じ人類なのになぜなのか、どうしてもわからなかった」

 

・「持続可能性原則に違反しない限りは何をしてもいいから、クリエイティブになれる」

 

「信頼がものすごく大切」という話に一番心が動いたのだけれど、うまく説明できない。

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レクチャーホールの座席には、投票機能があった。

 

乾杯

テーマつきのパーティーというものがある。「なにかしら頭にかぶってくる」とか。週末のパーティーのテーマは「服でも食べ物でも歌でもなんでもいいから自分の国を表すもの」だった。そんなわけで、いろんな国のやり方で乾杯した。イタリアが一番印象に残っている。歌うのだ。しかもキッチリ一曲。「もういい?え、まだ?いつ飲めるの?!」ってなった。

オーガニックビールって、こっちに来て初めて見た。飲まないからか。

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私はお餞別にいただいたカレー豆とワサビ豆を持っていった。老舗店の上品な味がとても喜ばれた。乾燥剤を見てみんな「これは何?」とビックリしていた。こっちにしてみれば、ゴマが紙箱に直に入って売られていて、いつまでもサラサラなのが衝撃なんだけど。

 

 

 

 

 

夕焼け

バルト海に沈む夕日は山に隠れて見えない。「夕焼け」のつもりでsunsetと言ったときに、「太陽がないよ」と言われたことがある。「夕焼け」の英訳はsunset glow2語になる。その文化で大事なものは一単語で言えることが多いから、きっと英語では太陽が大事で、日本語では空の色が大事なんだろう。

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